ターンダウンとは? ベッドメイキング・客室清掃と何が違う? 高級ホテルのサービスを徹底比較。
皆さん、少しグレードの高いホテルに宿泊された際、いったんチェックインして客室に入り、その後、外出して暫くして部屋に戻ると、チェックインの際は確かにベッドの上に掛けられていた筈のベッドスプレッドやベッドスローが無くなっていた・・・等という経験はありませんか?
それは、ベッドスプレッドが盗まれたわけではなく(笑)、ホテルのターンダウンというサービスのひとつです。
本日は、この「ターンダウン」について、少しみてみたいと思います。
ターンダウンとベッドメイキング・客室清掃はどう違う?
英語で「ターンダウン(turndown)とは、「取り下げる」「却下する」「断る」などの意味の他に、「音量を下げる」とか「明るさを弱める」などの意味があります。
これは、夕刻から夜にかけて、これから静かにゆっくりと休息・就寝につこうとしている宿泊客に対して、徐々に客室環境を穏やかにダウンしていくというイメージですね。
では、この「ターンダウン」と、通常の、よく耳にする「ベッドメイキング」や「客室清掃」とは、どう違うのでしょう・・?
ベッドメイキングとは?
まず「ベッドメイキング」とは、ご存知のかたも多いと思いますが、ホテルや宿泊施設において行われる、次に宿泊するお客のためにベッド周りを整える作業を指します。
時間的には、前の晩のお客が朝チェックアウトした後、次のチェックイン時刻までの午前中におこなわれます。チェックアウトしようとして客室を出て、廊下を歩いていると、他の客室のドアが開いていて、スタッフがベッドメイキングしているという光景を見たことがある人も多いかもしれません。
主な作業としては、以下のような内容が含まれます。
- ベッドリネンの交換: 使用済みのシーツ、枕カバー、デュベカバーなどを取り外し、新しい清潔なリネンに交換します。
- デュベ(羽毛布団)の整え: デュベを平らに広げ、デュベカバーにきれいにセットします。
- 枕の整え: 枕をふわふわに整え、枕カバーをセットします。
- 整頓: ベッド周辺の四角クッション・円柱クッション(ボルスター)やベッドスローなどを整え、見た目を美しく整えます。
ベッドメイキングは、次の宿泊客が快適な環境で宿泊できる様な状態にするための重要な役割を果たします。
ホテルのハウスキーピングスタッフが毎日おこなう作業の一部で、清潔で快適なベッド環境を日々提供するための作業です。
客室清掃とは?
さらに、客室清掃となると、幅が広く、一般的に以下のような内容が含まれます。
- ベッドメイク: 使用済みのシーツや枕カバーを取り外し、新しい清潔なリネンに交換し、ベッドを整えます。
- 掃除: 客室内の床や家具を掃除し、埃やゴミを取り除きます。掃除機やモップ、ほうきを使用して行われます。
- バスルームの清掃: 浴槽、シャワー、洗面台、トイレなどのバスルーム全体を清掃し、清潔な状態に保ちます。洗剤や消毒剤を使用して汚れや菌を除去します。
- ゴミの処理: 客室内のゴミ箱を空にし、ゴミを適切に廃棄します。
- アメニティの補充: シャンプーやボディソープ、タオルなどのアメニティを補充します。必要に応じて歯ブラシやシェーバーなどの追加アイテムも提供される場合があります。
- 鏡やガラスの清掃: 客室内の鏡やガラス面を磨き、汚れや指紋を取り除きます。
- ファニチャーの配置: 椅子やテーブル、デスクなどの家具を整理し、適切な位置に配置します。
- 部屋の消臭: 必要に応じて客室内で不快なにおいがないように消臭処理を行います。
これらの作業は、ホテルのハウスキーピングスタッフが実施し、宿泊客が快適に過ごせるように清潔で整った環境を提供することを目指しています。
なお、ホテルによっては上記の内容に加え、さまざまなサービスや特典が提供される場合もあります。
ターンダウンとは?
「ベッドメイキング」や「客室清掃」が、次に宿泊するお客のために、前の晩のお客がチェックアウトした後の午前中に主におこなわれる作業であるのに対して、「ターンダウン」は、その日のお客が宿泊している夕方から夜にかけて行われるサービスです。いわば、お客様に対して、ココロもカラダも「昼モード」から「夜モード」へ切り替えてもらうための演出です。
ターンダウンサービスには、例として、以下のような内容があります。
- ベッドメイク: 就寝の際には不要となる「ベッドスプレッド」や「ベッドスロー」を外し、シーツ・枕カバー等を整え、デュベやデュベカバーを調整します。
- 照明の調整: 部屋の照明を少し暗めに調整し、リラックスできる雰囲気を作ります。
- カーテンの閉め/開け: 外からの光を遮り、室内を暗くするためにカーテンを閉めます。
- アメニティ・リネンの補充: 客室内のアメニティ(シャンプーやボディローションなど)やハンドタオル・バスタオル等を補充し、必要なものが揃っていることを確認します。
- スリッパやルームシューズ等の整頓: チェックインの際の靴を履いた状態から、就寝に向かう"夜モード"では、スリッパやルームシューズをベッドの足元に並べます。
- ルームサービスの整理: 客室内に置かれたルームサービスのトレイや食器を回収します。
- 枕元にチョコレートやお菓子を置いたり、寝る前のドリンク等を用意したりすることもあります。
ターンダウンでは、宿泊客が夕方か晩に外出している間、ホテルのスタッフが客室に入り、上記のベッドメイキングやアメニティの補充、照明の調整などのタスクを実施します。
これにより、宿泊客が戻ってきた際にリラックスして快適に過ごせるよう、客室が整えられます。また、ホテルによっては、宿泊客の個別の要望に応えるために、さまざまなカスタマイズオプションを提供する場合もあります。
「ターンダウン」のサービスは、一部の高級ホテルやリゾート等で提供されるサービスで、全てのホテルで行われるわけではありません。そのため、ホテルごとに提供される具体的なサービス内容やタイミングは異なります。
また、ホテルごとにターンダウンサービスの提供時間や具体的なタスクも異なります。一部の高級ホテルでは、宿泊客が部屋にいる間にリクエストに応じてターンダウンサービスを提供することもありますが、一般的なケースでは宿泊客が不在の間に行われるものです。
旅館でも「ターンダウン」!?
このホテルの「ターンダウン」のサービスは、日本ではあまり馴染みがないのですが、日本人にとっては、旅館のケースで考えるとイメージしやすいかもしれません。
旅館の部屋に入って、少し落ち着いた後、夕食や入浴のために、一度部屋を出て、暫くしてから部屋に戻ってみると、さっきまで無かったお布団が綺麗にセットしてある・・・という経験は、比較的多くの皆さんがあるのではないでしょうか。
これは、日本旅館における「ターンダウン」サービスのひとつと言えるかもしれません。
ターンダウンの特徴
上記の通り、ターンダウンは、お客が宿泊中にスタッフが客室内に入ることになりますので、一部の宿泊客にとっては、逆に不快感を引き起こすこともあるかもしれません。特に、プライバシーやセキュリティに対して敏感な宿泊客にとっては、一度チェックインした部屋に他人が入ることに抵抗を感じることもあるかもしれません。
しかしながら、ホテルは自宅の寝室とは異なる特別な空間です。ホテル側も宿泊客のプライバシーと安全を尊重するため、ターンダウンサービスを実施する際には慎重に注意を払っています。ホテル側は、宿泊客にターンダウンサービスのタイミングや内容を事前に通知したり、宿泊客がそのサービスを受けるかどうかを選択する機会を提供する場合もあります。また、宿泊客は、ターンダウンサービスを実施しないようリクエストすることもできます。
ただ、ターンダウンサービスは、高級ホテルならではの、細かい気配り、最高のおもてなし、一種のサプライズとして、好意的に受け入れているケースの方が多い様です。ターンダウンサービスは、超一流ホテルで訓練を受けたホテルスタッフが、プロフェッショナルなマナーでサービスを提供しているのです。
まとめ
如何でしたか? ターンダウンは、普段あまり聞きなれない言葉で、少し抵抗を感じる人もいるかもしれませんね。
プライバシーを重んじるホテルで「ターンダウン」に少し抵抗がある人でも、上記の様に、日本の旅館のサービスだと安心できるというのは不思議ですよね。むしろ、旅館で食事を終えて戻ってきて、布団が敷いてないと、自分で敷かなければならず、憤慨する人もいるかもしれません。
同じ宿泊施設ですが、文化の違いや歴史や先入観の違い等による感覚の違いというのは面白いですね。
いずれにしても、「ターンダウン」は、高級ホテルでの宿泊体験を向上させるために提供される最高のサービスの一つで、ホテルが他のホテルとの差別化や特徴を表現するのにも役立っているサービスのひとつです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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