ベッドのサイズの決め方を徹底検証 ホテルから学ぶ、マットレスの横幅の選び方

皆さん、普段、どんなサイズのベッドに寝ていますか?

一人で寝る場合のベッドのサイズ

お一人なら、シングルサイズとかセミダブルサイズとか・・・お二人なら、ワイドダブルサイズとかクイーンサイズとかキングサイズとか・・・??

カップルで寝る場合のベッドのサイズ

お子様と一緒なら、K-1サイズとか、それ以上とか・・・?

家族で寝る場合のベッドのサイズ

本日は、ベッドのサイズの選び方について、少しみてみたいと思います。

そもそも人間の体格からみてみましょう。

人間の横幅は?

たとえば、電車のシートに座ることを想像した場合、最初に思い浮かぶのは、臀部(お尻)の幅ですよね。

電車の座席の横幅は?

「設計のための人体寸法データ集」(通商産業省生命工学工業技術研究所)によると、人間の臀部の男女平均は34.8cm。また、95%の男性の臀部が37.7cm内に収まるとされています。

個人の体格差

でも、実際に座ってみると、隣りの人に圧迫されて、肩をすぼめなくてはいけない場合もあります。臀部の大きさで十分な幅の筈なのに、なぜ窮屈に感じるのか、それは、人間の身体で最も幅が広いのは肩幅だからです。

人間の肩幅

同データ集によれば、人間の肩幅の男女平均は43.2cmとなっています。また、電車のシートの場合、1人当たり座席の幅は、JIS(日本工業規格)で43cmとされています。でも、体格の大きな人が座ったりすると、当然、窮屈になってしまいますよね。ちなみに、現在、JR山手線の座席は、一人当たり、それより若干広い約45~46cm程度で設計されています。

電車の座席の横幅

寝返りに必要なスペースとは?

では、マットレスの上を想像してみましょう。マットレスの上では、夜中、寝ている間に、寝返りを打ちますよね。気をつけの姿勢のままで一晩中寝ている人は、まずいないのではないでしょうか。健康な大人の場合、一晩に打つ寝返りの回数は20回前後と言われています。

必ず打っている寝返り

寝返りを打つ場合、身体の左右には十分なスペースが必要です。たとえ肩幅が43cm程度の人であっても、寝返りを打つには、約90cm以上のスペースが必要といわれています。これは、平均体型の場合ですので、平均より肥満のかたや体格の大きなかたの場合は、さらにスペースが必要となるでしょう。

カプセルホテルの横幅は?

具体的な例として、寝るための最低限のスペースを提供することが目的であるカプセルホテルの場合、内部の横幅は約90cm~110cm程度となっています。

カプセルホテルのマットレス幅

そのスペースのほとんどがマットレス幅とイコールですので、マットレスの横幅は97cm程度のPSシングルサイズです。昔はさらに狭いケースもありましたし、最近のカプセルホテルでは、もう少し広いケースもあります。

都市型ホテルのマットレスの横幅は?

では、カプセルホテルでなく、一般のホテルをみてみましょう。

シティホテルのマットレス幅

日本国内のホテルで最も多く納入されている代表的なベッドのサイズは「SD(セミダブル)サイズ」で、マットレスの横幅は「122cm」程度です。これが x 2台でツインルームとなります。

セミダブルサイズ(1,220mm幅) x 2

一人当たりのマットレスの専有面積は122cm幅ということになります。
昔は、駅前ビジネスホテル等では、「シングルルーム」という部屋のベッドの幅は、文字通り「シングルサイズ」というケースも多く、97cm~1m余りというケースが多々ありました。

昔のビジネスホテルのシングルルーム

でも、最近のビジネスホテルでは、ベッドの幅も昔より少し広くなっている傾向があり、たとえ「シングルルーム」という呼称の部屋でも、ベッドの横幅は決してシングルサイズではなく、「セミダブルサイズ」であったり、「ダブルサイズ」であったりします。

今のビジネスホテルのシングルルーム

中にはそれ以上の横幅のベッドが納入されているシングルルームもあります。

愛はサイズを超える!?

上記の様にみてくると、もし「クイーンサイズ」の163cm幅程度のベッドに二人で寝る場合、一見広い様に見える「クイーンサイズ」でも・・・

クイーンサイズ = 1,630mm幅

一人当たりのマットレスの専有面積は、単純計算で、163cmの半分の81.5cmということとなり、90cm程度あるカプセルホテルのマットレスよりも狭いということとなります。

クイーンサイズ = 815mm幅 x 2

もちろん新婚カップルなど、"愛はサイズを超える"場合もありますが、客観的に見て、これではちょっと狭いかもしれませんね。

愛はサイズを超える!?

もちろん、部屋のスペースの関係で、クイーンサイズ(163cm幅)よりも狭い、ワイドダブルサイズ(150cm幅)や、ダブルサイズ(140cm幅)等にお二人で寝ておられるという事例もよく耳にしますが、お部屋の広さに余裕があれば、やはり少しでもベッドは広い方が理想です。

それでは、具体的に、ベッドのサイズの選択基準をいくつかみてみたいと思います。

家族構成で決める

一人暮らしの場合は、ベッドのサイズは、やはり上記の通り、出来れば、最低でもPSシングルサイズ(97cm)以上の横幅が欲しいですね。

一人暮らしのベッド

また、ご夫婦やカップルお二人の場合、上記の通り、一人当たりのマットレスの横幅を考えると、お部屋の広さにもよりますが、キングサイズ(180cm幅)以上は欲しいところです。

家族で眠るベッド

また、小さなお子様等と一緒に家族で寝る場合は、できればもう少し横幅が欲しいところです。将来的にベッドを別々のサイズに分けても使える様、ベッドは予め「二分割ジョイント仕様」にされておかれることをおすすめします。

部屋の広さで決める

ベッドがお部屋に占める面積は、たとえば、「PSシングルサイズ」の場合、「98cm x 197cm」で、セミダブルサイズだと「123cm x 197cm」、ダブルサイズだと「140cm x 197cm」、また、「クイーンサイズ」だと「164cm x 197cm」と・・・大きくなっていきます。

部屋に占めるベッドのサイズ

狭いお部屋だと、大きなベッドを置くと、お部屋全体がベッドみたいな感じになってしまう場合もありますが、家具の配置やドアの開閉、押し入れの開閉などに支障が出ない様に事前に計測してみるのがおすすめです。

事前にお部屋を実測

ベッドをシーツ等でベッドメイクする際、ベッドの周囲に少しスペースが必要ですので、人一人通れる程度、その分も確保しておく方が良いでしょう。

ベッドメイキング作業の為のスペース

搬入の可否で決める

大きなベッドに寝たいけれど、いざベッドが届いて、ベッドが寝室に入らなければ、折角購入したベッドも使えません。

ベッドマットレスの搬入作業

当サイト「一流ホテルのベッド」にも、ベッドの購入を検討されておられるお客様より、事前に「ベッドが入るかどうか心配で・・・」という問い合わせを頂戴することがあります。以前のページでも、ベッドが搬入できるかどうかのチェックポイントについてご紹介させて頂いたことがありますので、ご参考にして頂ければと思います。

もし、大きなサイズのベッドの搬入が難しそうな場合は、マットレスの「二分割ジョイント仕様」をおすすめします。

階段経由でマットレスを搬入

二分割ジョイント仕様は、クイーンサイズ(163cm幅)以上のサイズのマットレスで製造可能で、クイーンサイズの場合は81.5cm x 2のジョイント仕様となりますし、キングサイズ(180cm巾)の場合は、90cm x 2のジョイント仕様となります。詳しくは、「二分割ジョイント仕様」のページもご参考にして下さい。

寝具のサイズで決める

シーツやベッドカバー等の寝具を選ぶ場合、通常、ベッドのサイズに合わせて購入しますよね。ベッドがセミダブルサイズなら寝具類もセミダブルサイズ。ベッドがクイーンサイズなら、寝具もクイーンサイズ・・・という風に。

一般的なツインルーム

でも、ベッドが少し特殊なサイズの場合、(当サイト「一流ホテルのベッド」なら、どんなサイズの寝具でもお作り出来ますが)、市販の家具店やホームセンター等で寝具を買われる場合は、通常、「シングルサイズ」とか「セミダブルサイズ」とか「ダブルサイズ」とか、代表的なサイズしか売っていないことが多く・・・

家具店・ホームセンターの寝具売り場

たとえば、110cm用とか130cm幅用とか、大きな204cm幅用とか、さらに大きな244cm幅用とか・・・特殊なサイズは基本的に市販されていません。もし、寝具類は市販で売っているものをお使いの場合は、ベッドについても代表的なサイズにされておかれるのが無難です。あるいは、特殊なサイズの場合は、ベッドも寝具類も、当サイト「一流ホテルのベッド」で合わせてご用命下さい。それならどんなサイズでも問題ありません。

予算で決める

ベッドは、サイズが大きくなればなるほど、当然ながら、中のコイル数も増え、お値段も高くなります。

ホテルのツインルーム

たとえば、244cm幅という大きなベッドの場合、セミダブルサイズ(122cm幅) x 2のジョイント仕様ですので、お値段的にも「セミダブルサイズ x 2台分」のお値段となります。ベッドは長年お使い頂く耐久財ですので、安かろう悪かろうではあとで後悔します。でもあまり高過ぎるのも考えものです。もちろんベッドにはグレードも色々とありますので、ベッドのタイプ・サイズと、予算を考え合わせて検討することが必要です。

ちなみに、当サイト「一流ホテルのベッド」掲載のベッドは、どれも本物の高級ホテルベッドとしては大変お手頃な価格帯となっていますので、何かご不明な点等あれば、お気軽にご相談下さい。

既存ベッドのサイズから決める

たとえば、既存で持っているベッドの、上のマットレスだけ買い換えたい場合、

マットレスのみ購入

あるいは、既存で持っているベッドの横に、もう一台ベッドを置きたい場合等、既存ベッドが存在している場合は、その既存のベッドのサイズとの兼ね合いで、新しいベッドのサイズを選択する必要があります。その場合は、サイズの確認に十分に注意が必要です。

特殊な部屋構造から決める

ベッドを置きたいと思っている場所が少し特殊な形状やスペースの場合、

変則的なサイスの空間にベッド!?

そのスペースに合わせて、ベッドを選択する必要があります。その場合、ケースによっては、ベッドを特注サイズでお作りする必要がある場合もあります。

まとめ

いかがでしたか ? 実際には、身体の大きさや嗜好等、個人差がかなりあるものですし、国や文化や育ってきた環境等によってもベッドのサイズの好みは異なります。

さまざまな体型や嗜好

アメリカのホテルは日本のホテルに比べて昔から客室の面積も広めで、ベッドの広さも大きい傾向にあります。でも、同じアメリカ国内のホテルでも、ニューヨークのホテルのベッドよりも、

ニューヨークのホテルと郊外ロードサイドのモーテル

郊外にあるロードサイド型のモーテル等のベッドの方がサイズは大きめですし、日本国内でも、最近は、国内外からの多彩な宿泊客の需要に対応すべく、上記の「ジョイント仕様」等の方法によって、日本のホテルのベッドもかなり大きなサイズになっているところも多くあります。

最近日本でも見られる大きなベッドの客室

皆さんも、ベッドのサイズを決める際は、色々な側面・切り口から検討してみられては如何でしょうか。

最後までご覧いただき有難うございました。