スイートルームのベッドとは? ホテルの高級客室向けのマットレスは、どんな仕様になってる?
ホテルの客室のグレードにも色々とありますが、高級な客室の代名詞としてよく耳にする言葉が「スイートルーム」ではないでしょうか。
誰しも憧れるスイートルームですが、本日は、このスイートルームについて、少しみてみたいと思います。
スイートルームとは?
「スイート」と聞いて、甘い「スイーツ」を思い浮かべる人もいるかもしれません。
確かに、新婚やラブラブのカップルが泊まる部屋という意味で考えると、「甘い」の「スイート」でも決して間違いではなさそうです。
でも、通常、ホテルでいう「スイートルーム」の「スイート」は、"SWEET"ではなく"SUITE"です。
“SUITE"とは、「ひと続きの」「ひと組の」「ひと揃いの」・・・という意味です。通常、スイートルームは、ベッドルームだけでなく、隣りにリビングルームやダイニングルームなど、いくつかの部屋が連なっていますよね。
そんな、ひと続きの部屋を、セットで「スイートルーム(SUITE ROOM)」というわけです。
ご参考までに、ビジネスマンの着る背広を「スーツ」と言いますよね。
また、サーフィン等で体温を保つ為に使用するのは「ウェットスーツ」、また、トップとパンツが一体になった衣服を「ボディスーツ」ともいいます。
これらの「スーツ」は、"SUIT"で、同じセットでも上と下がセットになった、上・下セットの衣服を指します。
“スイートルーム"の色々な呼び名
でも、一言に「スイートルーム」といっても、実際のホテルでは、色々な呼ばれ方をしています。たとえば、ちょっと挙げただけでも、「セミスイート」「ジュニアスイート」「プレデンシャルスイート」「ロイヤルスイート」「エグゼクティブスイート」「クラブスイート」「デラックスルーム」「スーペリアルーム」「ラグジュアリールーム」「ペントハウス」・・・等々。
また、上記の様に、部屋ごとにランクを分けている例もあれば、たとえば、「スタンダードフロア」と「エグゼクティブフロア」の様に、建物の階層によって、高層階の一部のフロアを特別フロアとして他のフロアと差別化している事例もあります。
また、ホテルによっては、ホテル自体のコンセプトを「オールスイート」として、全室がスイートルームという設定の高級ホテルも存在します。たとえば最近の国内ホテルでいうと、「The Okura Tokyo(ホテルオークラ)」や「ハレクラニ沖縄」等です。
スイートルームと一般客室の違いは?
では、一般客室とスイートルームでは、何が違うのでしょうか・・?
広さ
まず最初に客室の広さです。一般客室は、各ホテルにもよりますが、10平方mから20平方m程度の広さであることが多いのに対して、スイートルームは、30平方mから100平方m以上の広さであることが多くなっています。
サービス
次にサービスです。一般客室では、フロントでのチェックインや荷物の運搬などのサービスが提供されるのに対して、スイートルームでは、専用のチェックインカウンターがあったり、専用ラウンジやバトラーサービスなどの充実したサービスが提供されることも多くあります。
エレベータも、専用のエレベータになっていて、一般の宿泊客がのることが出来ない直通のエレベータであったり、同じエレベータであったとしても、専用のキーが無いと、そのフロアには停まらず一般客はスイートフロアには行けない設定になっていたりします。
備品
そして、備品や設備面です。一般客室には、テレビやエアコンなどの最低限の基本的な設備が備えられているのみなのに対して、スイートルームでは、たとえば、大型テレビやマッサージチェア、ワインセラーなどの豪華な設備が備えられていることがあります。もちろん、これらは各ホテルによって異なり、スイートルームのグレード等によっても大きく異なります。
ベッドやマットレスの違い
では、一般客室とスイートルームで、ベッドやマットレスはどう違うのでしょう?
ベッドやマットレスというのは、ホテル客室の中では最も需要なアイテムのひとつで、宿泊客の身体を一晩じゅう支え、そのホテルでお客が熟睡できるかどうか、快適に安眠できるかどうかの鍵を握るベースとなる備品であり、宿泊客がそのホテルで感じた快適性のレベルを宿泊後まで印象として深く身体に残すこととなる重要な備品です。
横幅
スイートルームのベッドやマットレスのサイズ(横幅)は、「クイーンサイズ(1,630mm幅)」や「キングサイズ(1,800mm幅)」、あるいは更に大きな「K-1サイズ(1,940mm幅)」や「2m幅サイズ(2,040mm幅)」・・・等、大きめのサイズが一般的です。
スイートルームでは、客室面積も広い分、一般客室のベッドよりも広々とした寝心地を実現しています。
たとえば、浦安の「ヒルトン東京ベイ」のハッピーマジックルームの様に複数台のベッドをジョイントして大きなベッドにできるという事例もあります。
高さ
また、最近は、グレードの高いベッドほど、マットレスに厚みもあり、ベッド全体に高さもあり、よりゴージャス感を演出しています。
一般客室のベッドが、床からマットレスの上面まで約40センチ~50センチ程度であるのに対して、スイートルームのベッドは、床からマットレスの上面まで約60センチ~70センチ程度あるものもあります。ただ、あまり高さがあり過ぎると、高齢の人や身長の小柄な人など、ベッドの上に上がるのが大変な場合もありますので、約70センチ程度までが適切といえるでしょう。
たとえば、下記の最高峰ホテルベッド「グランドプレミアムホテル」は、床からマットレス上面までが約70センチ程度になります。
仕様
最近、高級ホテルベッドのコイルは、大手ホテルでも「ポケットコイル」が主流ですが、一口にポケットコイルといっても実際にはコイルの種類はさまざまで、また、コイル配列や表面の詰め物等で、一般客室向けのベッドとスイートルーム向けのベッドは差別化されています。
ピロートップ
マットレス表面にソフト感を醸し出すスイートルーム仕様であるピロートップは、ホテルによっても異なりますが、片面仕様、両面仕様、また中の詰め物にも色々と種類があり、さらにマチの付いた、厚みのある「立体ピロートップ」も最高級のスイートルームでは人気です。
それによって、さらにベッドの高さがアップしゴージャス感が出ます。
たとえば、下記の最高級ホテルベッド「パーフェクトスイート」は「立体ピローソフト仕様」です。
ポケットコイル
ポケットコイルというのはベッドでは定番ですが、同じポケットコイルでも色々な種類が存在し、コイルスプリングの材料の鋼線もさまざまです。
ホテルベッドでは、JIS規格で最高グレードの線材を使用されています。
さらに、熱処理・圧縮率・その線径、ゾーニング等、業務用として、どの要素も最高レベルのものが要求され、さらにスイートルームとして採用されるポケットコイルは、一個一個、耐久性が特に優れた最高級のタイプが使われています。
特別仕様
業務用のホテルベッドでは、炎に強いファイヤーブロッカー仕様や、ブレスフォート等、特別な仕様が加えられており、快適性だけでなく、耐久性や通気性等、業務用として必須な要素をクリアしています。
個々の詳細の仕様はここでは省略しますが、たとえば、下記の最高級ホテルベッド「ライトブリーズピローソフト」は、大手有名ホテルのスイートルームで多く採用されています。
縫製・検査
縫製工程では、熟練した職人の手作業でおこなわれ、機械では実現できない細やかな技術で、一つひとつ丁寧に仕上げています。
また、ホテルベッドでは検査・試験も厳格におこなわれます。たとえば、約100kgのおもりで、コイルを約半分沈みこませる程の荷重を加えるテストを8万回繰り返すなど、厳しい耐久試験もおこなわれています。
業務用として、安心・安全にに商品を使って頂けるよう、常に試験が続けられているのです。
まとめ
ベッドやマットレスの寝心地というのは、宿泊客とって、宿泊するホテルで最も重要なアイテムであることは言うまでもありませんが、安眠・快眠を提供する役割を担うホテル側にとっても、宿泊後にそのホテルに対して末永く持つ宿泊客の印象や、宿泊後にSNS等で宿泊客が載せる高評価のレビュー等々、ホテル側にとっても、大変重要な指標のひとつといえます。
宿泊客が泊まるホテルを慎重に吟味して選ぶのと同様、ホテル側も、どんなベッドを、どの客室に導入するか、慎重に吟味して選んでいるのです。
最後までご覧いただき有難うございました。
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