ベッドメイクにかかる時間はどの位? ホテル旅館に学ぶ、ベッドメイキングの効率化と重要性とは?
皆さん、自宅の寝室でベッドメイクされる際、ベッドメイキングの作業に何分くらいかかっているか考えたことはありますか?
ベッドメイキングにかかる時間は、ベッドのサイズや寝具の種類等によっても異なりますが、あまりご家庭では意識することはありませんよね。
宿泊施設のベッドメイキングで求められる要素
でも、ホテルや旅館などの宿泊施設の場合は、どれだけ客室数がある施設でも、お客がチェックアウトしてから、次のお客がチェックインするまでの限られた時間内で、ベッド周りから客室清掃まで、全室の作業を終えねばなりません。
大きなホテル旅館では、ベッドメイクや客室清掃は、外部の業者に委託している場合も多々ありますが、ホテル旅館の自社スタッフがおこなうにしても、外部のスタッフがおこなうにしても、いずれにしても時間との勝負で、より専門性が必要な作業となります。
もちろん、ベッドメイキングは、早ければ良いというものではなく、正確さや美しさが求められますので、実際、世界には、ベッドメイキングのコンテストや競技なども存在します。
ベッドメイキングの競技!?
ベッドメイキングのコンテストでは、ホテル業界やハウスキーピング部門のプロフェッショナル達が競い合い、ベッドメイキングのスキルを披露するイベントは、国際的にも人気があります。
これらのコンテストは、ホテル業界の見本市や、観光イベント、展示会、教育イベントなどで行われることがあります。ベッドメイキングのプロフェッショナルが、技術やスピード、創造性を競い合い、観客に楽しさや驚きを提供する一種のエンターテインメントにもなっています。
特定の国や地域によっては、ベッドメイキングのコンテストが地域的な伝統として定着している場合もあります。こうしたイベントは、ホテル産業のプロフェッショナルのスキルを讃えるとともに、ハウスキーピング部門の重要性を強調することを目的としています。
たとえば、「Bed Making Competition」や「Housekeeping Olympics」など、ホテル業界で働くハウスキーピングスタッフ達が、日常の業務に関連するスキルを競い合います。
ベッドメイキング競技の評価ポイント
ベッドメイキングの評価ポイントは、単に速さだけでなく、いくつかあります。たとえば・・・
◇スピード:指定された時間内にできるだけ早くベッドをメイクすること。
◇正確性:寝具やシーツの位置、シーツのしわやたるみの有無など、正確にベッドを整えること。
◇アピール:美しさや視覚的な魅力を持たせること。
◇タイムリーな交換:ベッドリネンの交換が必要な場合、素早く交換すること。
・・・等々です。
ベッドメイクにかかる時間が変動する主な要因
実際の現場では、ベッドメイキングにかかる時間は、色々な要因によって大きく異なります。
通常、ベッド一台当たり、ベッドメイク時間は約5~10分程度といわれていますが、これはあくまで目安で、実際の時間は、状況や環境によって変動します。
では、ベッドメイクの作業時間が変わる要因をいくつか挙げてみたいと思います。
- ベッドのサイズ
たとえば、ベッドのサイズが、シングルサイズ・セミダブルサイズ・ダブルサイズ・クイーンサイズ・キングサイズと・・・ベッドが大きくなればなるほど、どうしても作業時間がかかります。
中には、ひとつの客室の中に、異なるサイズのベッドが入っていたり、キングサイズ等よりもっと大きなベッドが入っている場合もあります。
- ベッドの仕様
ベッドのマットレスタイプが、当サイト掲載のホテルベッドでいうと、「ポケット標準タイプ」より「ポケットハードタイプ」の方がコイル密度が高く、少し重量があります。
また、「ポケットハードタイプ」より、スイートルーム向け仕様の「パーフェクトスイート」や「ライトブリーズピローソフトホテル」の方が重量があります。
さらに、最高峰の「グランドプレミアムホテル」の場合はもう少しボリューム感があって重くなります。
たとえば、「ポケット標準タイプ」の「セミダブルサイズ」は約37kg程度ですが、「パーフェクトスイート」の「セミダブルサイズ」は約50kg程度あります。
マットレスが重いと、それだけ動かすのが大変な為、一台当たりのベッドメイキング時間に違いが出ます。
ベッドの配置
同じ「キングサイズ(1,800mm幅)」のベッドでも、マットレスが「一本物」の「キングサイズ」と、「二分割」になった「キングサイズ(900mm幅 x 2)」では、当然、ベッドメイキングにかかる時間が異なります。
ダブルルームはベッドが一台ですが、ツインルームはベッドが二台ですからね。
- シーツやリネンの仕様
家庭で使われるシーツで人気があるのは、箱型になっていてベッドメイクし易い「ボックスシーツ」ですが、ホテル旅館では、一般的にフラットなメイキングシーツが使われます。
フラットなメイキングシーツでマットレスの周囲からマットレスを巻き込む様にして、きっちりと綺麗にベッドメイクしますので、家庭の「ボックスシーツ」と比較して、それだけ時間がかかります。
- デュベスタイル
また、最近大手ホテルで主流の「デュベ」というスタイルは、最初にデュベカバーの中に羽毛インナー(羽毛布団)をセットしてから、デュベカバーの裾を、マットレスの足元の下に巻き込むようにしてベッドメイクします。
どうしても上からバサッと掛けるだけのベッドカバーやベッドスプレッドと比較すると、それだけ時間がかかります。
でも、ベッドメイキングされた状態はとても綺麗で、いかにも「ベッドメイキングが仕上がっています」と言わんばかりの"張り"や"パリッと感"があります。
なので、洋風のホテルでも和風の旅館でも、たとえベッドメイキングに多少時間がかかっても「デュベスタイル」の人気が衰えることはありません。
- スタッフのスキルと経験
経験豊富なスタッフが多ければ多いほど、ベッドメイクの作業も効率的に行えますので、素早くベッドメイキングができます。
これは、個々人の慣れや習熟度によりますので、経験とともに随時変わっていくでしょう。
- ベッドの状態
宿泊していたゲストが、客室やベッドををどのように使用していたかによって、作業は変わります。
外国人観光客が増加している昨今、客室やベッドの使い方も多様化しており、そのお客の国の風習や慣習などで、チェックアウト後の客室やベッドの状態が異なっている場合があります。
AIとベッドメイキング
ちなみに、大変な日々のベッドメイキング作業ですが、AIやロボットに任せることは可能でしょうか・・・?
残念ながら、現在の技術レベルでは、AIやロボットを使用してベッドメイクの作業を完全に自動化することは難しいでしょう。
中には、自動でベッドメイクしてくれるベッドというのは一部で出ていますが、まだまだ試行錯誤の段階と言えるでしょう。
やはりベッドメイクというのは、細かな作業と視覚的な判断が必要なため、人間の手によるスキルや感性が重要です。
実験的に、ロボットアシスタントやスマートホテルテクノロジー等の技術が導入されている例はありますが、ベッドメイクの作業は細かい手作業やクリエイティブな要素が多いため、技術が進化しても、完全にAIやロボットに置き換えるのは難しいとされています。
まとめ
如何でしたか?
ホテル旅館の日々の客室清掃には、当然ながら、ベッドメイクだけでなく、ゴミの回収やテーブル・バスルーム・トイレなどの清掃など、たくさんの業務があります。ベッドメイキングはその一部に過ぎません。
客室清掃は、一部屋あたり約30~40分程度で仕上げるのが目安というところが多いようですが、中には、「一部屋〇〇分以内で・・」という指示があるケースも。いずれにしても、限られた時間の中の作業ですので、常に時間との戦いです。
将来的には、AIやロボット等の技術の進化によって、より高度なベッドメイクや客室清掃の自動化が可能になる時代がくるかもしれませんが、繊細なタスクにおいては、熟練した人間の手腕が常に重要な要素として残り続けるのではないでしょうか。
最後までご覧いただき有難うございました。
本物の有名ホテルのベッドやマットレス・寝具類を一台一枚から販売しているサイト